ここにいるよ

染吉はハニ〜にヒトメボレしたのだ。どうもこうもない。どこがどうのとかいう前に、会ってすぐ好きになった。ハニ〜がどんな人かは知らなかった。そして今、ハニ〜がどんな人間かあのときよりはわかってきたけど、それでもやっぱり好きだ。惚れた腫れたは理屈じゃないのだ。


でもハニ〜は違う。紆余曲折の挙げ句、今は染吉に落ち着いているだけなのだ。他がみな去り、染吉が残っただけなのだ。


ここでの決定的な違いは、染吉がハニ〜を選んだことに対して、ハニ〜は別に染吉を選んだわけではないってことだ。


どれでもいいから好きなの食べていいよーとお菓子を置かれたとき、染吉は真っ先にハニ〜を選んだ。ハニ〜はどれにしようかなーと思ってるうちに、目ぼしいのや最初にいいなーと思ったのがどんどん他の人に取られちゃったので、少しだけ残った中から染吉をつかんだ。いやもしかしたら、染吉しか残ってなかったのかも。


ときどき、ハニ〜は染吉を好きになろうと努力してるのかなって思うときがある。それはきっと、うまくいえないけど、自分自身に負けたくないのかなって。だから多少不本意でも、それは最初に手を出さなかった自分の責任とし、染吉を受け入れることを努力してるような。


とても僻みっぽくて、醜い染吉。完全にハニ〜の気持ちを踏みにじっている気がする。
でも、何人いい男がいたってその中から必ずハニ〜の手を探す染吉と同じように、ハニ〜にもたくさんのデブの中から染吉を探して欲しいって思うのだ。染吉はここにいるよ。
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